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季節を伝える「走り・旬・名残」

日本料理の中でも特に季節感を大切にするのが懐石

献立を立てる場合には、土地の気候・風土ならではの
食材の旬を知らなければなりません。

」とは出盛りの時のことで一番美味しくなる時期。
その食材がもつ自然の本当に美味しい味を
ご賞味いただく料理を考えます。

それとは別に「初鰹」のように
「みんなが食べる前に初ものを食べたい!」
というような欲求もあります。

そのため未だ成熟していないものにも
おいしく手を掛けて献立に加えます。
このような出初めのものを「走り」といいます。

また旬も過ぎつつある食材をその季節への感慨を以って
名残」を惜しんで食べていただくこともあります。

移りゆく季節感を味わっていただくために、
「旬」真っ只中の食材だけでなく、
季節を先取りした「走り」の食材や
「名残」の食材を上手に組み合わせて献立が出来上がります。

しかし!
季節感は食材だけではありません。

例えば掻敷(かいしき)。

掻敷は器に盛る食べ物の下に敷く木の葉などのことで、
食器のなかった頃に木の葉に盛ったことにはじまるようです。

紙の掻敷もありますが、花や枝葉、実などを使うことで
日本料理ならではの季節感や趣きを添えます。

季節によっていろいろな植物を使いますが、
“旬の四十五日前から”というのが業界定説?なのだとか。

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こちら、旬の河豚と一緒に写っているのはアオキ
茎が青いからアオキ(青木)?
今の時期によく掻敷葉として使われる植物です。

このみずみずしいアオキが
今日にも明日にも、季節のあしらいとして
お客様の器に登場することになるのでしょう

 

Photo by 調理部きっかわ@欽山
Written by Web担たかい@欽山
(参考:調理師必携シリーズ 献立ハンドブック資料編)
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