藪蘭が咲いています
夏も盛りとなり、緑に茂る欽山のお庭の中。
竹の足元に目を向けると、朝の陽射しにキラ〜ン
今、たくさんの藪蘭(やぶらん)が咲いています。
小さな葡萄の房を逆さにしたように
咲くユリ科の常緑多年草。
葉が蘭に似て藪や林下に多いので
藪蘭の名で呼ばれていますが、
ラン科ではないようです。
花の時期は夏から秋ということで
これからまさに見頃?!
穂状についているお花のひとつひとつがとっても小さくてカワイイ
薄紫の花の色も淡くて涼しげな印象です。
園芸的には株分けで増やしていく
ようなのですが…
何かの偶然で種が運ばれたり
することもあるのでしょう。
欽山脇の道路に面した斜面や
植え込みなどでも見かけます。
ときに、この藪蘭。
古くは山菅(やますげ)と呼ばれていたとか、いないとか。
万葉集には山菅を詠んだ歌がいくつかあります。
咲く花は移ろふ時ありあしひきの山菅の根し長くはありけり(大伴家持)
家持も見たかもしれない藪蘭。
お庭を抜けるやわらかな風は歴史の香りもそっと運んでくれるようです。