大酒と申す一病により入湯?
時系列は少し遡りますが…
過日開催されました第三回有馬学講座のお話を。
〜午前の部「版本に見る江戸時代の有馬温泉」より〜
有馬温泉に関係する版本はたくさんあるようなのですが、この日は
文政10年(1827)の滑稽有馬紀行という滑稽本の紹介がありました。
滑稽本なので比較的砕けた文体で、
有馬温泉に当時の人達が
どういう風に旅してきて、どういう風に宿で過ごし、
どういう風に湯を楽しんだのか
その様子がオモシロおかしく書かれています。
主人公は京都五条に住む恵来屋太郎助(えらいやたろすけ)と居候の才六。
東海道中膝栗毛の弥次さん・喜多さんよろしく旅の滑稽本はコンビが定番のようですね(笑)
2人の旅は太郎助のこんな言葉で始まります。
摂州有馬の温泉は諸病を治するよし。
此の身は然るべき病の有らず候えども
大酒と申す一病により入湯に参らばやと存じ候。
有馬温泉は庶民にも湯治場として名を馳せていたんだね。
でも、確かにいろんな効能はあるけど…
大酒呑みが治るなんて聞いたことない!
…ただに行きたかっただけでしょ?(苦笑)>太郎助
太郎助の大酒は有馬の湯治で見事完治するのか?!
有馬路や有馬路や。湯本をさして急がん。