2013.09.17
世界に誇る日本の工芸・根来塗の天板
こちらは西館客室の副室にある掘りごたつの天板。
朱塗りの中に黒の下地が所々浮かび出ている模様で
「根来塗(ねごろぬり)」という手法です。
発祥は和歌山県の根来寺。
鎌倉期から南北朝時代にかけて隆盛を極めたこの寺では、
数千人にも上る僧たちが日常に使う什器として、
大量の漆器が生産されました。
当時は日常雑器として長い期間使用している間に
表面の朱漆が擦り減り中塗りの黒が
表面に模様として出来たものであると云われていますが、
現在では中塗りに黒漆を、その上に朱漆を塗って乾燥した後、
表面を研ぎ出し所々に黒の研ぎ出し模様をつけるそうです。
磁器は英語で「china」と呼ばれますが、
漆器は英語で「japan」と表記されます。
それは、漆塗りの技法が日本を代表する
素晴らしい工芸製品として認められている証!
江戸時代には「根来」「根来もの」として珍重された根来塗。
その伝統は脈々と受け継がれ、
今では世界に向けて日本を紹介し続けてくれています。
西館の副室付き客室にご宿泊の際は
是非、副室掘りごたつの天板もじっくりご覧になってみてください。
Photo & Information by 営業課ながみつ@欽山
Written by Web担まつい@欽山